「3.58秒の遅刻です」
遅刻リストに
名前を書き込んでいく。
「そのくらいいいだろ!?たった3秒……」
ポキッ
シャーペンの芯が音をたてて折れる。
「たった……………だと…………?
されど3秒だー!!!!
いや、3.58秒だ!!!!!」
「ひっ!すみませんっ!」
ふーっとため息をついて
眼鏡をクイッとあげる。
「まったく……
あんな生徒がいるから学園内が乱れるのだ……」
「ですが会長!最近では遅刻数が目に見えて減っていますよ!会長の指導の成果です!」
副会長の木本 望(きもと のぞみ)さんが目を輝かせながら言った。
「いえいえ、まだまだですよ…それに僕だけでなく木本さん…」
ニコッと微笑む。
少し木本さんの頬が赤く染まる。
「貴方のサポートあっての成果ですよ」
「そ、そんな…」
「では…そろそろ門を閉めますか」
「あ…でも会長…まだ…」
「ん?」
まだ…?
木本さんの言葉の続きを聞かないうちに門を半分以上閉めていた僕は手を止めた。
「まだ誰が……」
その時風が吹いた。