「成る程。」
それなら心配要らないですね、
と微笑む愛華に医師も微笑み返した。
「では、失礼致しました。」
そう言ってドアを閉めた。

因みに、愛華の傷は普通の人なら
気絶…で済まないかもしれない
(つまり死に関わる)程の傷だった。
だが、愛華は仲間が危なかった(?)ので、
痛みなど感じていなかったのだ。
…だが、今は傷の痛みが
今まで感じていなかった分、
とても痛かった。
それでも、愛華は周囲に迷惑を
掛けないように、といつも通りで居た。

「…ふぅ。」
誰も居ない事を確認して溜息を吐いた愛華。
その瞳に映るものは、闇。
そして、誰にも分からない程
奥に閉じ込めた、苦痛だった。