最強不良姫 ―黒蝶―

一方、攻防戦側では。

「ハァッ…ハァッ……」
息を切らす青龍と
「…あら、もう終わり?」
汗1つ掻いていない美蝶が居た。
「…ッんな訳…ねぇだろっ…!!
…お前に負ける訳にはいかねーんだよ!!」
青龍はまだ美蝶が余裕という事に苛立ち、
美蝶の攻撃を一cm程だけでかわしていた。
…美蝶の攻撃が当たるのも、もうすぐだろう。
…勿論、美蝶は手加減しているが。

激しい攻防戦の中、美蝶が消えた。
「――っ!?」
驚いて辺りを見回す青龍に、美蝶は
「ここよ。」
青龍の真上でそう言った。
青龍がハッとして上を見上げようとした時には、
もうすでに美蝶の攻撃がクリーンヒットしていた。

ドサッ
青龍が倒れ、この勝負は終わった。
「――“水龍”は、今日この日を持って。」
「…無くなった。」
そう言い残して帰ろうとした“舞蝶”の
それぞれの総長と幹部達は、
思い出したように立ち止まり、振り返った。
「…もしも、これからまた“水龍”を作るなら」
「……必ず改善しろ。」
「さもなくば」
「…また、潰しにきてやる。」
「それも…今日の倍以上にね。」
それを聞いた奴等は、震え上がった。
だが、舞蝶のそれぞれの総長と幹部達は
一度も振り返らず帰っていった。