最強不良姫 ―黒蝶―

「うん。それが?」
と、愛華にとびっきりの笑顔で
返された女子は、
まさか笑顔で返されるとは
思っていなかったのだろう、
思いっ切り動揺していた。
…いや、とびっきりの笑顔と
言っても、その後ろには
黒いオーラがはっきりと出ていたが。
「…は……!?
あんた、意味分かんない。」
「私は貴女が怒っている
理由が分からないのだけど。」
間を与えずの言い返しに、
女子は言葉を詰まらせていた。
「……私は、あんたが
私達を見縊っている事に
怒ってるのよ!!」
「見縊ってなんてないけど。」
即答。
流石愛華だ。
返しが速い。
しかもキラキラオーラが
出そうな笑顔で
(勿論背後には黒い影が
出来ていたが)。
「はぁ!?超見縊ってるじゃない!!」
「本当の事を言ったまでよ。」
愛華の声は次第に堅くなっていく。
「…良いわ。決着を付けようじゃないの。」
ニヤリと笑う女子に、
愛華は溜息を吐いて
「……貴女なら、
私じゃなくても良いわ。」
「はぁ!?逃げるの!?」
感情を荒げて言う女子とは違い、
まだ感情を殆ど出していない愛華は
「逃げてなんてないわ。
…私とやれば、楽しめそうも
無いわよ?…良いの?」