愛華は、無傷のまま涼しい顔をして
ずっと見ている倉庫の扉を
いまだ見続けている。

「…もう少しマシな下っ端を
掛かってこさせろよ。」

……先程の発言は、
勿論愛華である。
…愛華は、倉庫の扉を
ずっと見続けていたにも関わらず、
掛かってくる下っ端に目も向けずに
感覚だけで場所を瞬時に理解し、
攻撃したのだ。

…これは、愛華にしか
到底出来ないであろう芸当である。