私達は、歩き出すんだ。


「いやぁ、本当どうなるかヒヤヒヤしたけど…本当良かったよね」


優花は私の頭をポンポンと撫でて、明るい笑顔で言った。


「ありがとう!皆、無事に決まったことだし…」


「パーっといっちゃいますか?」


佐々木くんが親指を立てて、ウィンクする。
本人はイケてると思っているらしい。


「いっちゃおーう!!」


珍しく優花が乗っかる。


優花は、服飾の専門学校に。
佐々木くんは、警察官に。

結城くんは、大学に。

そして私は短大に無事、合格しました。


残すは卒業式のみ。
今日は登校日で、久しぶりに学校へ来たんだ。


寂しいな。こうして皆でワイワイ出来るのも、なくなってしまうって思うと…。


それを感じとったのか、結城くんは私の手をギュッと握って。


「今のうち、制服デートしとかねぇとな」


やさしく笑う。
心がポカポカする。こんなに外は寒いのに、結城くんの隣は温かい。


「さとりー!結城!早くー!!」


優花が、校門を出た所で私達を呼ぶ。


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