「掃除!またサボったでしょ?!先生が怒ってたよ」


子犬みたいに瞳をくりくりさせて、優花が笑った。


「あぁ、ごめん!忘れてた」


今週から美術室の掃除当番だったことを思い出す。



「そんなことだろうと思った。部活行こっか」


「うん、行こう行こう!」


もう一度振り返って、空を見る。


吸い込まれそうな、淡い水色。

照り付ける太陽は、じりじりと肌を焦がすけれど、気持ちが良い。


「今日も頑張るぞーっ」


「ぎゃあっ!もうっビックリしたぁ!」



先を歩く優花に飛びついた私は、けらけらと笑った。


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