「そうやって、私をどうこうしたって何も変わらない。結城くんはあなたの彼氏にはならない…」
「あんたに何が分かるの?」
訳もなく涙が溢れる。
悲しいから?
悔しいから?
分からない。
「分からないよ。あなたの事なんて…」
「お前ナメてんのかよ」
香川さんの取り巻きが私の胸ぐらを掴んで。
強い香水の匂いに頭がくらくらした。
「おい」
その場にあった空気が一瞬にして変わる。
私ははっと息をのみこんだ。
「蓮!?」
香川さんの表情も、ぱっと笑顔に変えてしまう。結城 蓮の突然の登場に、取り巻き達もキャーキャーと騒ぎだした。
「蓮、あたし小田切さんに…」
「黙れブス」
結城くんは掴まれた腕を勢いよく振り払って、私の方へと歩いてきて。
「蓮?!今…何て…」
香川さんは瞳を大きく見開いて、今にも泣き出しそうな顔で言った。
「あ?何度でも言ってやるよ。てめぇみたいなブス初めから相手にしてねぇよ」
結城くんの怒っている瞳は、今までに見たことがない程鋭くて。
私も香川さんも、皆黙りこんでしまった。
.

