「どういう意味だよ」

「ほら、香川さんっていちお蓮ちゃんの元カノでしょ?結構女子の取り巻きの中では強い存在だから…小田切さんが心配だよね…」


佐々木は周りに聞こえないように小声で言う。
佐々木の言っていることは確かに正しい。

入学当時、なつめがそうだった…。

「女って本当めんどくせぇ奴らばっかだな」

呆れて溜息すら出ないけれど、俺と付き合っているせいでさとりが傷付くのはおかしい。

いちいちやることがガキなんだよ。

「ここは蓮ちゃんがガツンと彼女を守るしかないね!」

「言われなくてもそうするつもり」

「ヒュー!カッコイー!」


佐々木はまたいつもの調子の大きな声で、俺を囃し立てるもんだから。

「いってぇ」


佐々木の頭にストレートを一発ぶちこんでやった。

大袈裟にリアクションをとる佐々木を置いて、俺は教室へと入る。


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