「お前、最高だな」

とどめの一撃。

私は結城くんから離れて洗面台の前へ駆け込んだ。

詰めたティッシュを外して、真っ赤になった顔を軽く叩く。

鏡に写った自分の首に、結城くんから貰ったネックレスが輝いていた。

「可愛い…ネックレス」

改めて見ると、再び嬉しさが湧いてくる。
鼻血の事なんてすっかり忘れて、私は上機嫌で部屋へと戻った。


「…ただいま」

私の部屋に彼がいる。

あの、結城蓮がいる。

「遅えよ」

少しご機嫌がよろしくない、私の…彼氏。

「ご、ごめん」

「ほら、勉強の続き」

教科書を広げて待っている彼。
一気にテンションは急降下。

「もう今日は…」

「は?まさかさっきの問題やっただけで勉強した気になってんだろ?」

「ギクッ…」


そんな彼との冬休み。
短い短い冬休み。
本当ならクリスマスで盛り上がるはずの、今日。

私はみっちりと勉強をさせられました。

新学期に待ち受ける学校生活なんて、なんにも頭になかった…。


.