「私も何か結城くんにプレゼントしたい」

「いや、俺はいいって」

その言葉に私は目が点になってしまう。

「なんで?」

「お前が側にいるだけで…充分」


ずるい。ずる過ぎる。
そんな事を言われてしまったら…


「はっ…ははは鼻血がっ」

「はっ?!」


結城くんは驚きのあまり固まっているのを感じながら、素早くティッシュで鼻を押さえた私。


「そんな事言うからー」

「は?鼻血出す奴がいるかよ」

「ここにいまふ」

上を向いて必死に堪える私を見て、結城くんはどんな顔をしているのだろう。

こんな馬鹿でアホな女、何で好きになったのかきっと今更後悔しているかもしれない。

「っはは…」


ほら、笑ってる。笑われている。

色気も可愛げもない私を、笑っていらっしゃる。

「すんげぇ、面白い」


「ほんなわらはないれよ」

「あ?なんつってるか分かんねえよ」


そう言いながらも彼はまだ笑っている。



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