「それでは、明日から冬休みに入りますが…」



担任が教壇に立って、今年最後のホームルームを始める。


私は耳だけ傾けて、窓の外を眺めていた。


誰もいない寂しい校庭が、空と睨めっこしているみたいで。

その澄んだ青に飲み込まれてしまいそうだ。



生徒達は、返ってくる通知表の話題で盛り上がっている。



「小田切」


「はい」



名前を呼ばれて、先生から通知表を貰う。


「後期は頑張れよ」


「はーい…」


通知表なんて見なくたって想像ついた。


けれど、もしも想像以上に悪かったら…


相当やばいかもしれない。


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