ぱっと目が覚めると、真っ白い天井が見えた。



「…あ…れ…?」



ここは保健室…?



「…小田切さん?」


視界いっぱいに…


「あい…はらく…ん?」


なんで?


思い出せない。


相原くんがどうして私なんかに…



「…大丈夫?突然倒れてビックリした」


「え…もしかして…」


保健室まで運んでくれたの?

相原くんは無表情のまま、静かに頷いた。


「たまたま近くにいただけだから…」


「ありがとう…」



素直に嬉しかった。

相原くんとはあれっきりだったから、こんな風に話すことはもうないって思っていた。



「…先生呼んでくる」


相原くんはそのまま保健室を出て行った。

素っ気ないけれど、それだけでずっと心に引っかかっていた何かがとれた気がする。


.