「チッ・・足元みやがって・・さあ・・お皿を渡してくれよ。あれが無いと川から出られないよ・・」

しょんぼりする
カワザエモンの手に
お皿を渡す河童。
渡された皿を
頭に乗せる
カワザエモン。

頭に皿を付けた瞬間
あちらこちら
先程のカワザエモンとはまるで別人の様に
元気よく
飛び回っている。

「力が湧いてきたぞ!!」
カワザエモンが
はしゃいでいると
森の奥から
大きな声が
聞こえてくる。

「誰だ!!頭の皿を無くしたという馬鹿者は!!」

カワザエモンと
河童達は
ザワザワし始めた。

「やべぇ~ぞ!!親分だ!!」

「おめぇが、デカい声で言うから、親分に聞こえちまったじゃないか!!」

「しらねぇ~よ!!本はと言えば、カワザエモン、おめぇが皿、落とすから、いけないんだろ!!まあ、良い・・。取りあえず、皿をみんな今は付けている。なんとか、やり過ごそう」

森の中より
一際
大きく偉そうな白髭を
はやした河童が
出てくる。

「おめぇ達!!取りあえず水から出て一列に並べ!!」

鶴の一声ならず
親分の一声で
水から素早く
跳ねる様に出て
ビシーっと綺麗に
並ぶ。