「もう少しで、森に付くぜ。」

小川の流れは
ゆっくりと流れ
やがては流れが止まり
広い池の様な場所に
行き着く。

水は透き通り
宙に浮いている錯覚を
起こす。

「おみじゅ、きれい・・」

みつるとみずきは
辺り一面を見渡す。
2人は
その景色の美しさに
圧倒され言葉を
しばし忘れる。

「あったり前じゃないか。ここの水はミクマリノカミ様が守っていらっしゃるんだ。それで、俺達や人間達に水分けしてるんだから。さっ、着いたぜ。多分、ここら辺に、落としたかもしれないから、探してくれ」

2人は河童の甲羅から
地面に
フワフワなコケに
囲まれた場所に
降り立つ。

2人が周りの景色に
圧倒されていると
遠くの方から
声が聞こえてくる。

「お~い、カワザエモン!!お前、頭の皿、落としただろ!!」

声の方角を
瞬間的に目を向ける。

目を向けた方向に
頭にしっかりと
お皿を乗せた
数匹の河童が
泳いで
こちらに向かって来る。
「カワザエモンって言うの?カッパしゃん」

数匹の河童が
泳いでくる方向を
ジッと見ながら
みずきの質問に
答えるカワザエモン。