「無くしたオイラの皿を探してくれました」

大きな体をした親分は
みつるとみずきに
近付く。

「カワザエモンが世話になった。まあ、何もできないが、ゆっくりとしてくれ。ところで名は何だ?」

親分の大きさに
圧倒されながらも
名前を言うみつる。

「僕の名前はみつる。こっちにいるのが、みずきだよ」

みずきは
みつるの言葉を
真似る様に
自分の名前を伝える。

「みじゅきだよ。こんな所、始めてきたよ」

親分はガハハッと
笑った。

「始めて見たか、ガハハッ!!ここに人間が足を踏み入れたのは何百年前だったか?ここは妖怪と八百長の神の場所みたいなもんだ。八百長ってのは色んな神様がいるって事だ」

親分が話終えると
森の香りを
風が運ぶ。

「カゼノカミは、こうして、いつも風を運び、心地よさを与えてくれる」
森の奥が
ぼんやりと
暖かく光始める。

親分も河童達も
光る方角を
嬉しそうに見つめる。

「九十九神が、自分の定めを終え帰ってくるよ」
カワザエモンは
微笑み呟く。

「ご苦労様です」

カワゾウも微笑む。