「みちゅるぅー、おちゃかな、いっぱい、いるよ」

田んぼと
お山に囲まれた中に
僕の家はある。
僕の名前は
みつる。
僕の名前を呼ぶのが
妹の水樹と書き
みずき。

僕は
みずきのいる
小川に近付き
小川に顔を覗かせる。
みずきのかおと
僕の顔が
ユラユラと歪んで
見える。
小さな魚達が
川の流れに負けずに
泳いでいるのが
見える。

みずきが
手を小川の中に
入れた。
僕もみずきの
真似をして入れる。

しばらく
2人で飽きもせず
小川で遊んでいると
小川の中に
ブクブクと泡が
浮き上がっているのが
見えた。

ずっと
その泡を見ていると
小川の中から
人の様な
半分だけ
顔を出している
人の様なものが
見えた。

「うわっ!!」

僕は
小川から出てきた
顔にビックリして
尻餅を付いた。

だけど
みずきは
キャッキャッと
笑って
その小川から
半分だけ
顔を出している
人の様なものに
話しかけたんだ。

「だれぇ~、どうちて、出てこないの?」

みずきが
話しかけると
小川から顔だけを
出したんだ。

ガラガラ声で
話し始めたんだ。