「とにかく、今日は早く帰って…」
グイッ!!
「きゃっ!」
「綾女、何言ってんの。綾女以外女なんか…」
「先生、離して」
先生が立ち上がって私にもたれかかった。もちろん手も握られている。
誰かに見られたら大変、それに心臓がうるさい。
今だに先生にドキドキする心臓が憎いよ
「ハア…だりぃ…」
「だから早く…」
「お前の小テスト、放課後あるから帰らない」
「え?」
「お前といる時間、無駄したくねーし。小テストしねーと困るだろ」
先生…。私のために…?
「先生…数学サボってごめんなさい。迷惑かけてるね。いいよ、小テスト0点で。だから早く休んで」
もう無理しないで、先生。
「ばか、わかってんならサボんな」
「うん。」
「俺を避けんな、ばか。傷つくだろーが」
お願い、そんなこと言わないで。
辛くて、切なくて、泣きたくなるから。
「小テスト、俺の家に受けに来い。今日」
「え…?」
「それなら今から帰る」
「それは……」
出来ないよ、仮にも先生は私の彼氏だった人だもん。
今さら先生の家なんて行けない。
でも、
「私が行かないと帰らないんですよね?」
「ああ」
「………わかりました。」
これ以上、先生が辛いとこみたくない

