私はその日、手紙を学校に持って行った。
唯一、話せる友達のリョーコには記憶が飛ぶ事も話してあったから、手紙をみてもさして驚かなかった。

「なるほどね…レイの中に別の人がいるってこと?」

『そういうことだよねやっぱ』

「…ママさんには話したの?」

『まだ…言わなくちゃ、ね』

「うん…がんばっ!」

そうリョーコがとても羨ましかった。

何時ものように学校を交わし、帰宅すると私は母にその手紙を見せた。

母は蒼白な顔をして、一言だけ呟いた。

「明日、病院に行きましょう」


幼い頃からの母親の口癖は
「出来るよね?」

だった。



そう言われると私は『『出来なくちゃ怒られる…』』

そう思ってずっとずっと生きてきた。