その人の名前はアキマサだった。

『あっちゃん』とずっと読んでいた。


「スロットやったことある?」

『なぁーい』

「やる?」

『やるぅー』



その後から記憶は途切れ途切れだ。

シャブこと覚せい剤は別名、Sやアイス、氷と言う。SはシャブのSでもあり、スピードのSでもある。

薬物が利いている時間を「キマってる」と言うんだけど、

シャブでキマった場合、時間が経つのが本当に早い。



スロットを打っている記憶は朧気にあるんだけど、気がついたら閉店だった。

何が楽しかったかわからないけど、あっちゃんにくっついて笑っていた気がする。