ドアを開けると、彼の部屋は相変わらず乱雑に散らかっていて
脱ぎ捨ててある服を隅によせて、スペースを確保する。

「レイ。さっき決めた事ミオに話しな」

『うん…』

ミオはパソコンデスクに腰かけてあたしを見下ろしていた。

その目は何時もと変わらない。

一体何をあたしは怯えているんだろう。


アルコールの力がないと、あたしは彼氏にまともに話も出来ないのか。

何度も言葉が詰まったけど、最後まで言い切った。

『まだあたしと恋人でいてくれる?』

次の瞬間、ふっとミオの中の目の色が変わった気がした。

そっか。

わかったら言葉が耳に届くまでに涙が零れた。

「あのな、レイ一回友達に戻ろう?」

あたしの気持ちだけ、限度を超え始めてしまったのか分からないけど、私達の恋人関係は終わった。
それが耐えられなくて、受け入れられなくてその日は

ただひたすら浴びる程、酒を呑んで泣いた。

夜にはミオの隣のアユムの膝の上で寝た。


人生で初めてフラれた事が結構ショックだったのを覚えてる。


3日くらい名古屋で逃避生活を送り、2つだけ結果を残して終わった。


まず、ミオと別れたこと。

そして以前から言い寄られていた様にアユムと付き合うこと。

相変わらず、休むことを知らない交遊関係だと自分でも呆れる。


でもそれがあたしだ。