ミオは相変わらず、なぶるように会う度あたしを犯した。

あたしはずっと自分の事は好きになれない。

けれどあたしには誰かを壊すような破滅的エネルギーはない。

だから嫌いなあたしを壊すように犯す彼を愛せた。

あんなに純粋だった恋心なんて、儚い寿命だ。

会えない時は仕事の待機中にメールや休みの日に電話して寂しさを誤魔化した。

そんな日々が続いた。

ミオはあたしの方が稼ぎが良いのに
昔の男のようにあたしの金をあてにしようとしなかった。

それが彼のポリシーなのかもしれないし、あたしが彼を信用出来た理由なのかも知れない。

季節は初夏から夏へと流れていった。

歓楽街に来るサラリーマンはボーナスが出て仕事は上々だった。


毎日給料は3万を超えた。
実家だったから貯金はどんどん増えた。

今は都心から遠い実家から自立したい気持ちと

そうしたら父親が出ていって独り家庭を背負う重荷を

少しでも軽く出来るんじゃないかとその二つがせめぎあって、独り暮らしの為に必死だった。


どんなに辛くても

虚しくても

心が空っぽになろうとも、週末になれば新幹線で一飛びでミオに会える。


負の感情を期待で塗り替えた。