母親の狂乱する声。 忙しない誰かの声。 救急車に乗せられたらしい。 あたしの傷は深さ5cm長さ15cmで、甲状腺を切断していた。 結局、あたしはまた死ねなかったのだ。 ここまでして死ねないなんて、生かされているとしか思えなかった。 そのまま、精神科の閉鎖病棟の集中治療室に入院させられた。 ただ、最後に担当に「ごめんね」と言いたかった。 タバコも吸えない。 酒も呑めない。