気がつけば頭の中には

『死のう』

その言葉しか思いつかなかった。

包丁やナイフだけを買ったら怪しまれるから

気がつけばあたしは
貝印のピンクのカミソリで

鏡を観ながら喉を切り裂いた。

皮膚が切れる。
もう一度。もう一度。

血が滴る。喉が見える。もう一度。もう一度。


ありったけの力を込めて
『死ねよ…早く…早く』

そう虚ろに呟きながらカミソリを滑らせ続けた。


そのままよろよろと切った場所から歩いたらしいけど、その辺りの記憶はあまりない。