この子はこの色もない世界を観ることもなく死んでしまう。 それがこの子にとって良いことなのか、 悪いことなのか 生まれてしまったあたしには判断出来ない。 生きる意味もなく、流れていく時間。 この命があたしの中に居た証が欲しかった。 『そうだ…名前…』 空は真っ青だった。 高い高い、気の遠くなるような秋の空。 空。 それがこの子の名前。 名前をつけてから、空と一緒に感慨に浸ることが増えた。