最初に見学に行ったスクールは高校から近かった。
メイクも教えているスクールで、経営するネイルサロンもあるという。

外見は、スクールと言うよりもサロンに近い感じ。
認定校ではない為、必修時間消費による、日本ネイリスト協会(以下JNA)
検定3級の免除はなかった。

ネイリストとして働くには、ネイル検定を資格しないと、サロンで仕事はない。
検定は下から、
3級・2級・1級とあり、それぞれ課題が違う。

資料と説明を受けた感じでは、一年に与えられた時間は150時間。
スクールにかかる費用は30万円程度だった。


二つ目のスクールは、認定校。
見学をすると、皆真剣な表情で実習をしていた。
ケアカラー、スカルプ。

この時はリュウも一緒に見学に行ってくれた。

認定校の為、2ヶ月の間に60時間、筆記と実技を含めた受講を受ければ
3級は自動取得となる。

一年間に330時間。

問題は高校と両立しながら60時間を消費し、4月の2級取得まで通い続けられるかどうかだった。

「はじめまして。神谷さん。」

軽やかにあたしの前に現れたのは、すらりと背の高い気品のある女性だった。

『『あ、パンフレットに載ってた校長先生だ。』』

あたしの目を見て、不適な笑みを浮かべた。