医療少年院には、男子生徒もいて話した事は一度もなかったけれど
見かけることは度々あった。

多分、40人ほどいたと思う。

『『男子は男子で大変そうだなあ…』』

よくそう思っていた。

体育祭で、ソーラン節を少年全員で踊ることになり、
皆でミスチルの当時の
オリンピックのイメージソングだった歌を歌うことになった。

あまりにも、声にばらつきがあるので
リードボーカルが必要だということで
何故かあたしが抜擢さてた。

声が良く通るらしい。

毎朝の朝礼で練習する際も、あたしだけマイクを持たされた。

「女子寮の神谷さんがリードボーカルをしてくれるので、それを聞くと歌いやすいと思います。皆さん頑張って練習しましょう。」

先生、何もそんな誇大にあたしを出さなくても。

ソーラン節の練習は、
大変だったけれど楽しかった。




皆で何かをやるのなんて、中学生ぶりだった。
何かを1つになってやることが、





楽しいということをその時初めて知った。