水泳大会が終わり、何人か出院していく少年もいた。

少年院は級があり、それぞれの期間とバッチの色が違う。
下から、
2級下、2級上、1級下、一級上となる。

12ヶ月の場合、2級は2ヶ月半、1級は3ヶ月半となる。

バッチの色はそれぞれの少年院により違う。
遵守事項と言われる、規則を破ったり日常生活の態度が悪ければ、2ヶ月半経っても進級は出来ないし、次の進級式までの半月延びることになる。

勿論、課題もある。
〈何故、今回のようなことになってしまったのか〉
〈少年院生活の中で考えるべきことはなにか〉

担任の先生の出す課題に自分で考え、ノートのやり取りをする。


あたしは自分の人生なんて如何でもいいと思っていた。
早く死にたかった。
むしろ、何時死んでも良かった。
投げやりに生きていく事からの発想の転換は難しかった。

高校は休学にしておいてもらった。
中退するのは、絶対に嫌だったから例え一年遅れても最終学歴は高卒にしておきたかったのだ。


たまに会いに来てくれる家族と、「待ってる」と言ってくれたリュウだけがあたしの心の支えだった。



待っている人がいるから、頑張れた。




10月の体育祭に向けて、練習が始まった。