長旅の先に、ついた医療少年院は水彩画の中に溶け込んだようだった。

あたしが入った女子寮の個室が中庭に面していたからだろうか。
古びた鉄格子越しから向日葵やけいとうの花が咲いていた。

まず、内科の診察、精神科の診察。

薬は今までより、少し強くなり調子の悪い時に申し出れば頓服も飲めると言う。

個室にはTVはない。
もともとネット依存でTVはあまり観なかったけれど、本と漫画があり借りることが出来たので好きな作家、読んだことのない作家を片っ端から読んだ。

一日に一回、集団に入る前に行動訓練があった。

基本的に迎えに来てくれた寮長の先生が教えてくれたが、他にも女子寮の先生に段々と会い始めた。

担任という先生は、物腰が柔らかくあたしに優しく質問を投げかけながら
金髪だった髪を黒染めしてくれた。

基本的に、というか例外は聞いたことないのだが
少年院はコンタクト禁止の眼鏡で、黒染めして男子の場合は丸刈りにされる。

1週間が過ぎ、2階にあった個室から1階の集会室がある処へと先生に連れられ行った。