鑑別所生活も、審判まで近づいてきた。 2回目の審判。 家族は、 「待ってるから。審判行くから。安心してね」 と手紙を書いてくれた。 あれだけ裏切っておいて、離れて頼れる時しか 親のありがたみを感じられない自分が大嫌いだった。 自分を愛せない。 でも、家族やリョウはあたしを大事だという。 自分を大事にする意味があたしには、まだわからなかった。 とめどない真暗な闇色の憂鬱の渦に巻き込まれながら、 審判の日は、訪れた。