どれくらい寝ていただろう。

鑑別所の部屋には、時計がない。

うなされ、渦巻く思考の中で泣きながら

悪夢と現実を行き来していた。

「神谷!起きれるか?面会だ。」


すぐに親だと分かった。

会いたくなかった。


こんな状態で会っても、絶望感に拍車が掛かるだけだ。


朦朧とする意識で、面会で待つ。

来たのは、保護司の先生と母だった。


「あんたはどれだけ家族を裏切れば気が済むの!」

『ごめんなさい…』

「ごめんなさいだぁ?親なんか良いように利用して、要らなくなったら棄てれば良いとでも思ってるんでしょ!だから、こんな事平気で出来るんでしょ!」


『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』

パニックになった。
あたしが悪い。
解ってるよ。
じゃあ何故会いに来た?
そんな風に思うなら
身元引受も断って、オカアサンこそあたしを棄てればいいのに。

その方が楽でしょう?

コンナ娘居ナイ方ガ…



鑑別所の職員と保護司の先生に宥められ、母はあたしを責め立てるのを止めた。


その後何を言われたかは、良く覚えていない。




面会が終わり、布団の中で生きていることを後悔した。