花の名



「…あの」

「どうかしたか?」


「今日はここまででいいよ

 アミちゃんと帰りなよ」


これ以上3人でいたくないし。


あたしは作り笑顔を浮かべながら彼に言った。


「…いいの。俺はお前と帰りたいから」


「えっ……わっ!」


グイッとあたしの腕を引っ張り、スタスタ歩いていく。


後ろを振り返るとクスクス笑いながら手を振っている彼女の姿。


あたしはただただ彼に引っ張られるがまま。




「ちょっと西浦くん!」


「だから~圭吾って呼んでって、言ったよね?」

やっと止まったかと思えば、満面の笑みを向けながらあたしに近づいてくる。


「あ、の…」

「なに?」

「アミちゃん、よかったの?」
「…まあ、後でも逢えるしね」


あっ、そっか…。

家近いのか。


チクン…


まただ。


さっきからなんなんだろう。


「千尋?どうかしたか?」


「なんでもない。」


「それが、なんでもないって顔か?」


心配そうにマジマジと顔を見てくる。


恥ずかしくて、思わず下を向いてしまった。


なのに、彼は無理やりあたしの顔を上に向かせた。




熱い……




顔から火が出そうになるくらい、熱い…。