助手席の私に勇はそう語りかけた。わざと明るい話をしようとするのが伝わってきた。
「うん、、。」
 そう答えるのが精一杯だった。きっと今の私はどんな話だってまともに切り返すことができないと思った。三、四十分車に揺られただろうか。目の前に木造のログハウスのような横に広い建物が見えた。
「ここが僕の家、そして作業場なんだ。」
 もう完全に日は落ち太陽の光もなくなってしまっていた。暗くてほとんど見えなかったけど周りには建物はほとんどなく、草地が広がっているようだった。
 勇は車を降りると、助手席のドアを開け、私に手を貸してくれた。重い私のキャリーも地面の砂がつかないように、抱えてもってくれていた。
「さぁ行こう。暗いから足元に気をつけて。」
 扉の前で私を待たすと、勇は部屋の明かりをつけた。
「さぁどうぞ、、。」
 そして勇は私を招きいれた。
彼の部屋に足を踏み入れた瞬間私は息を呑んだ、あまりの美しさに、木造のログハウスのような作りの部屋の中には、所狭しとガラス細工が並んでいた。そのどれもが美しく自然とため息が漏れた。透き通る青いグラス、ガラスのお皿、水差し、アイスペール、ガラスでできた飾り物に、花瓶や灰皿まで全て透き通っていた。所々に無造作に置かれたトンボ玉、ランプの放つオレンジの光に照らされ、この部屋はまさに幻想的な世界としか言いようがなかった。
「綺麗、、、凄く綺麗、、、。」