「ちなみに山野さん、担任は僕だから」


思わず目を丸くして見上げると


長身の野田先生は微笑んだ。


「せ、先生はこのお仕事長いんですか……?」


何か話さないといけない気がして


よく解らない質問をしてしまう。


しかもさっきからどもりっぱなしだし……。


「あはは。全然。長くないよ。


そんなに老けて見えるかな?」


「いえ、そういう意味じゃないんです……」


気まずい沈黙が続き


やっとの思いで職員室に辿り着いた。