「「…」」
ピルル
ピルル
電子音が部屋に鳴り響く。
「「…」」
その音は、先生のポケットから聴こえてくる。
「…わり」
「いえ…早く出たほうが…」
「…出ないとダメかな?」
「大切なことかもしれないし…」
「はぁー」
大きな溜め息をつき、先生がポケットの携帯を取り出す。
「…もしもし。はい、そうですが…」
電話で話している先生の表情が、どんどん変わっていくー…
「警察…の方ですか…」
警察ー…
静かにベッドから降り、先生は部屋の隅で電話している。
泰葉も起き上がり、電話で話している先生を見つめる。



