「うざい。」
「えっ・・・!?」
ストレートに言われすぎて頭が真っ白になる。何を今言われたんだろう・・・、何をされたんだろう・・・。それさえもわからなくなった。あたしはやっとのことで口を開いた。
「う・・・うざい・・・?」
「そう、うざい。だから、消えろ。」
暴言がどんどん吐かれてあたしの頭をどんどん埋めていく。
「修、可哀想やで。一応女の子なんやから。」
「桂太郎は黙ってろ。」
冷たい会話が交わされてる。
「ごめんなぁ~。こいつ、女の子苦手なんよ~。まぁ、俺も君のこと認めたわけじゃないんやけどなぁ。」
少し小柄で大阪弁の子が近づいてきた。
「あの・・・。私・・・何か気にさわる事・・・、しましたか?」
「言っとくけど、何の理由でここに来たかは知らないが、男子校に来たってことはわきまえとけ。・・・ここは男も女も関係ねぇ。」
「修、かっけ~。見直したで。」

なんだろう・・・。心が・・・いや、胸が痛い・・・。こんな気持ちになるなら学校なんて…学校なんて来なきゃよかった・・・。だから・・・、学校は嫌いなんだ…。昔もそうだった。父があんなことして・・・それで・・・それで・・・皆にいじめられて・・・。

「あの・・・。ごめんなさい。本当に・・・。」
涙が溢れて目の前がかすんでいく。皆はどんな顔してるんだろう。止めたくても止まらなくて、またそれが悲しくなって涙が出てきてしまう。あのころの・・・あの思い出と重なっていくんだ。
「あ~あ~。泣いちゃった。修ちゃんだめでしょ~?女の子は傷つきやすいのよっ。」
中くらいでちょっとオネェキャラで金髪の人が近づいてきて、あたしの頭を優しく撫でた。
「たくっ・・・。だから、女は嫌いなんだよ。・・・うぜぇ。」
「修、止めとけってぇ。それ以上泣かせるともっとややこしくなるで。」
「そういう問題じゃないわよ。修ちゃん今のは言いすぎよ~。」
なんだか冷たい。止めとけって言いながら実はこっちの方が冷たく聞こえる。
「あの・・・。失礼します。」
あたしは気づいたら走っていた。帰ってる間も涙は止まらない・・・。憎い。父が憎くてたまらない。あんな父親いなくなってしまえばいいのにと思わずにはいられなかった。