「待てよ、修。」
向井君は修のことを呼び止めた。修は足を止めたけど、こっちは振り向かなかった。
「修、そこにいろ。」
向井君はそう言うとあたしに近づいてきた。そして立ち止まるとあたしの腕を掴んで言った。
「好きだ、相沢のこと。・・・隠してたけど、好きになってた。」

い・・・今なんて言った?まさか、あたしの事じゃないよね?

あたしの頭の中は真っ白になっていた。だって、あの向井秀太だよ? かっこよくてモデルで皆の憧れの的の向井秀太だよ? あたしは何も言えないまま口をポカンと開けて向井君を見つめた。
「だから修、俺ら付き合ってもいいよな?」
向井君はそう言うと修のほうを向いた。
修はゆっくりこっちを振り向くとこっちに近づいてきて・・・

バンッ

向井君の顔を思いっきり殴った。