甘酸っぱい彼

「祐介からあの二人の関係、聞いたやろ?」
「うん。」
「実はな、あの事件があってからある事が分ったんや。」
桂太郎は空を見上げて言うと大きく深呼吸して言った。
「実はな、あの二人・・・兄弟だったんよ。しかも・・・双子でな。」
あたしはそれを聞いて大きく目を見開いた。
「で・・・でも、全然似てないじゃん。・・・苗字も違うし。」
「二卵性やから似てないんや。苗字が違うのは・・・親が離婚しとってな。」
それから桂太郎はいろんなことを教えてくれた。
向井君が兄で修が弟ってこと、生まれて9カ月で親が離婚して兄弟が別々になった事、離婚後何かが食い違って近くに住んでしまい中学高校と同じになってしまった事。
桂太郎は後は詳しくは修に聞いてくれと言った。
「んで、これからどうするん? 修と仲直りした方がええんやない?」
「うん。仲直りはしたいよ。でも・・・、修があたしの事避けてて・・・。」
「言っとくで。避けるなって。」
「本当? ありがとう。」
あたしたちはそんなやり取りを終えると教室に着いた。


ガラガラ・・・
教室の中を見渡すと修と祐介がこちらを見ていた。
「修~、祐介~。おっは~!」
「桂太郎、おはよ。」
「桂太郎っ、おはよっ♪」
三人は笑顔で挨拶をしていた。あたしが行きにくそうにしていると、桂太郎が来てくれた。そして・・・
「明るく頑張りーや。フォローしたるから。」
と、小さく囁くとあたしの肩を掴んで修たちがいるところまで連れて行かれた。