家に帰って来てあたしはいつもならすぐにキッチンに行くけど、今日は真っ先に自分の部屋に行った。

結局あの後、修と桂太郎を見つけることは出来なかった・・・。 もう少し放課後残って二人を探した方が良かったかな・・・。 そうしてたら見つかっていたかもしれない。

あたしは不安と心配で何もすることができなかった。
「どうしよう・・・。 ほんと、まずいよ。」
あたしが一人で焦っているとドアの向こうから音がした。

コンコン♪
「はい。 誰?」
「あっ、俺。・・・健斗。」
どうやらドアの向こうにいるのは健斗で何か用があるみたい。 ご飯かな? ご飯作れって事?
「あのさ、入ってもいい?」
「いいよ。」
あたしはドアに目を向ける。ドアが開いてジャージ姿の健斗がいた。オレンジのラインがチカチカしてる。
「どうしたの?・・・あたしの部屋に来るなんて。」
あたしは目を見開いて言ってみる。
「いや、あのさ。俺、留学に行く前に彼女できたって言ったじゃん? それさぁ・・・もう別れたんだよね。」
 
なぜいきなりそんな事言いだしたんだろう。別に報告なんていらないし、彼女がいることに興味があったわけじゃないから・・・。

「・・・そうなんだ。 でも、なんであたしに言うの?」
気になったことを聞いてみた。
「えっ・・・。いや、その・・・。ほら、あん時自信有り気に言いすぎたなぁって。」
健斗はそう言うとヘラヘラ笑った。なんだか嘘っぽい・・・。