「ひど~いっ!したじゃんっ!」
桜田は顎に人差し指を当てて体をゆらゆらさせながら言った。

キ・・・キモい・・・。俺はなんでこんな奴と付き合っていたんだろう・・・。

「どんな約束したんかぁ?」
「高校生になったら一緒にヤろうって!」
「ぶっ!」
俺は吐きそうになって口を抑えた。
「そ・・・そうなんやぁ・・・。」
さすがの桂太郎も引いている。
「ちょっと待っててなぁ。」
桂太郎はそう言うと俺を連れて少し離れた場所に行った。
「なぁ、修。ほんとにあんな約束したんか?」
「なわけねーだろっ!・・・マジ、キモい。」
「どうするん?」
「あいつは並大抵の奴が扱えるやつじゃねぇ・・・。」
俺は静かに呟く。すると・・・
「誰が並大抵の人が扱える人じゃないの?」
桜田は俺と桂太郎の間にちゃっかりいた。気づかなかった・・・、こいつ小さいから。
「ねえねえ、ここの学校。男子校なのに女の子いるんでしょ?」
「なぁ、君。修は君のせいで女の子が苦手になってしもーたんや。だから、もう会わんといてくれるかな?」
桂太郎は俺の前に立つと作り笑顔で桜田に言った。
「それはよかったぁ! 美衣奈以外の子とイチャイチャされたら、マジムカつくも~ん! 多分その子、殺しちゃう~!的な? きゃははははっ!」
桜田はめっちゃ笑ってる。マジうざいな、こいつ。
「俺達、別れたんだけど。 なんで付きまとうんだよ。 他の奴と恋しろよ。 それともできねーの?性格悪いからできねーの?」
俺は一発言ってやった。しかし・・・
「美衣奈は別れたって思ってないからっ。 それとぉ、この学校にいる女の子とは仲いいの?」
「仲いいでっ!」
桂太郎は少しキレ気味に言ってる。
「じゃぁ、その子と仲良くなりたいなぁっ!」
「紹介さえしねーよ。」
俺はそう言うと桂太郎とその場を去った。