「すごいわよね~。 でも、こんな菜生でも彼氏無しよ♪」
祐介がピアスをいじりながらあたしの隣にやってきた。 菜生ちゃん、こんなに可愛いのに彼氏いないなんて・・・意外!?
「香奈は俺の中でアイドルやからなぁ・・・。」
桂太郎が自慢するかのように香奈ちゃんの肩に腕を回した。
「けいたろ~っ! だいすっき!」
香奈ちゃんはそう言うと桂太郎に抱きついた。桂太郎は勝ち誇った顔でこちらを見てくる。
「たくっ。・・・しゃーないな~。・・・ちゅっ」
桂太郎はそう言うと香奈ちゃんに・・・キスをした。しかも・・・長いっ!まだキスしてて、終わりそうにない。周りにいる皆は瞬時に後ろを向いた。勿論、あたしも。後ろからは甘い声がっ!
「ちょっ・・・あんたたち! こんなとこでやめてよねっ!」
菜生ちゃんは顔を手で隠しながら言った。あたしが香奈ちゃん達を見ようとすると修があたしの後ろに来て視界をさえぎった。
「やめとけ・・・。見んな。」
修との距離が近すぎてあたしの心拍数は一気に上がる。あたしたちは一向に止める気配がない二人を置いて遠くに行くことにした。


「たく・・・、ほんとラブラブなんだからっ。」
祐介は腕組みをしながら呟く。あたしたちはしばらく話した後、解散してそれぞれの家に帰った。