今日は土曜日。只今、朝の八時。
昨日桂太郎にカラオケに誘われて、あたしは今着ていく服を選んでる。久しぶりに行くカラオケと女の子に会うってことであたしは緊張とワクワクで頭がよくわかんなくなってる。
「この服で・・・いいよね?」
部屋で一人、服とにらめっこ。これをさっきからずっと繰り返してる。
「女の子と遊ぶんだから、ズボンじゃ駄目か・・・。」
結局決まったのは待ち合わせ十分前。あたしは急いでお化粧をする。今日は普段あんまり着ない白のレースでふんわりとした女の子っぽいワンピース。化粧もお嬢様系に仕上げてみた。

久しぶりに・・・女の子と遊ぶなぁ・・・。あたし、気合い入れすぎかな・・・?

なんて待ち合わせのカラオケ店に着くまでにいろんなことを考える。久しぶりに履いたパンプスがリズムよくコツコツと音を鳴らす。


「お~!・・・百季ちんっ! こっちこっち!・・・みんな来てるで。」
私服の桂太郎を一瞬誰かと思った。服装はなんだか派手でピンクと黒のTシャツに破れかかったよれよれジーパン。前髪はいつものようにピンでとめてる。
「百季ちん、ごめんなぁ?・・・俺の彼女テンションめっちゃ高いけど、引かんといて。」
「うん。それより、遅れてごめんね?」
「皆、気にしてへんよ?・・・あっ、俺も気にしてへんからな。」
桂太郎は二カッと笑うと[こっちこっち]と手招きしながら部屋へ案内してくれた。