「二人とも誤解っ。・・・この人はあたしの小さい時からの幼なじみの柴咲健斗。・・・んで、この人はあたしの学校のクラスメートの宮藤修。」
「宮藤君。いつもこんなうるさい百季がお世話になってます!」
「いえ、相沢は静かです。周りの男子に」
[ごほん。]あたしはいそいでせき込んだ。
「おっつ・・・。相沢はとにかくおとなしいです。」
あたしは心の中でため息をついた。
「そうですか。・・・百季、そろそろ帰ろう。優雅がつらそうなんだ。・・・飯、作ってやって。」
「あっ!優雅っ!」
あたしは優雅の事を思い出して修に別れを告げて家に走って帰った。


家に帰ると優雅がぐったりしながら玄関まで来てくれた。
「おかえり、姉ちゃん。」
「ただいま。優雅、熱大丈夫?顔赤いよ?」
あたしは急いでキッチンに戻るとアイス枕を優雅に渡した。
「姉ちゃんごめん。心配かけて・・・。つか、心配した?」
「大事な弟がこんな姿見たら心配するよっ!・・・ったく、馬鹿っ!」
優雅は[馬鹿でぇす]と言うと微笑んでリビングに行ってしまった。そんな優雅を見てあたしは、昔のお父さんに重ねてしまい首を横に振って、わざとらしく[ごはん!作んなきゃ]と呟いてキッチンに急ぎ足で向かった。
その様子を健斗はしっかり見ていた。