帰りのミーティングが終わって、帰りの支度をしていると修が近づいてきた。
「なぁ、相沢。・・・今日、一緒に・・・帰んないか?」
「えっ・・・?」
あたし・・・誘われてるんだよね? あたしは戸惑った。
「だから・・・ほら。同じ方面だろ?・・・一人じゃつまんねーし。それに、話し相手いねーと心細いだろ?」
「そうだね。・・・でも、桂太郎たちは? 一緒に帰んないの?」
「あいつら逆方面。」
修はあたしから目を逸らして喋ってる。それを不思議に思い、ボーっと眺めながらあたしはokした。


「修は桂太郎君や祐介とは高校で仲良くなったの?」
あたしは気まずい雰囲気を消すため、何気なく話しかけてみる。
「桂太郎とは昔っから幼なじみってやつ。祐介は中学ん時、同じクラスで仲良くなった。俺ら三人は一緒の高校入ろうって決めてて見事三人合格。」
珍しい話しに笑顔で聞いている自分がいて心の中で少し驚いた。修はあたしより20センチぐらい大きいから見上げないと顔を見ることができなくて・・・、首が悲鳴を上げていた。
「・・・相沢はなんで男子校に来たんだよ。」
あたしにとっては直球でいきなりの質問にあたしは固まる。
「おい。聞いてんのか?・・・相沢っ!」
「あっ・・・。ごめん。そ・・・それは・・・、あっ・・・。」
あたしは立ち止った。だって、50メートルぐらい先に健斗がいたから。健斗はこちらに気づいててずっとあたしと修を見てきてる。
「相沢。どうした?」
修が心配そうに聞いてくるけど、今は一言も・・・一文字も頭に入ってこない。健斗は徐々に近づいてきて逃げたくても足が動かない。とうとう健斗が目の前に来てしまった。
「百季、おかえり。・・・この人は百季の彼氏?」
健斗の口は笑ってるけど、目は笑ってない。
「ううん。彼氏じゃないの。」
「相沢の彼氏?この人・・・。」
修が変なとこで入ってきた。

修・・・、黙ってて。お願いっ!