「お嬢様、大丈夫ですか?」


「ゴホッゴホッ。平気、だから、まだ言いたい事が……」


私はそう言って、遼にさがってもらった。


「れん、お願、い。私を、幸せに、して?」


「無理だ……。もう、幸せな時間はお終い……だ、から……」


れんがいきなり倒れた。


荒い呼吸を繰り返すれん。


「れん、しっかり、して!」


かすれる、私の声。


喉に、痛みがはしる。


口に血の味がした。


喉の、傷……開いちゃったんだね……。


こんなんだから、魔歌は、嫌い……。


私はそこで、意識を手放した。