そんなの、出来るわけない。


私は絶体にみせられない。


「無理、みせれない」


「じゃあ、ダメ」


れんは右腕を隠したまま。


いつも、不思議に思っていたんだ。


まだ、夏服じゃなくて、暑いのに、絶体に何があっても、腕まくりとかしてなかった。


男子生徒はほとんどのひとがやってるのに。


それは、きっと、傷を隠す為だったのね……。


「れん、隠しても無駄だよ。わかってるんだから!」


「……はぁ~。ずっと、知らないでいてくれればよかったのに」


そう言って、右腕の袖をまくった。