「大丈夫、だから」 れんが耳元でささやく。 「ホントに、大丈夫なの?」 「平気、ずいぶん、よくなったから」 まだ、れんは荒い息を繰り返している。 ホントに、大丈夫なのかな? 私、何もできない……。 「れん、ごめんね。私、何もできなくて」 「かな、大丈夫だよ」 周りに生徒はいない。 みんな、教室にいるから。