「俺は、絶対に諦めないから」
れんは、そう言って部屋を出て行った。
「……何で、来たの? れん……。私はもう、真っ暗闇の中に生きることを決めたのに……」
「お嬢様、それはいけませんね」
遼が私に触れながら言う。
「お嬢様は、光の中で生きるのがお似合いです。だから、もがきましょう。傷ついても、傷ついても、立ち直り、また、前へ向かって歩くのです。光に向かって!」
「嫌だ……。だって、もう傷つきたくないもん」
私の目からは涙がこぼれ続ける。
嫌だ。
でも、光に向かって歩いてみたい。
この、二つの心が私を迷わせる。
どうすればいいのか、わからなくする。


