「ねぇ? 何があったのか教えてよ」


「嫌……。言えない。いったら、消えちゃう……みんな、みんな……いなくなっちゃう……」


私の目から涙がこぼれる。


遼は、心配そうな目で私を見つめている。


れんは私に触れる。


「過去に、何かあったの? 俺は何を聞いても絶対に消えないよ」


「そんなの、嘘にきまってる! それに、許されない! お父様は、こんなこと許してくれないわ!!!」


私の目からはどんどん涙がこぼれる。


止めたくてもとまらない。


もう、嫌!


これ以上、近づかないで!


これ以上は、許されない。


だから、戻れなくなる前に離さなきゃ!