私は願ってはいけない事を願ってしまった。


そして、れんの唇が私から離れる。


嫌だ!


帰りたくない!


ずっと、一緒に……。


「じゃあ、またね」


一緒にいたいと願うのに、別れをつげる私の口。


「うん。じゃあね」


れんのちょっぴり悲しそうな声が響く。


私はそれを聞いてから、屋敷に向かって歩き出した。


嫌だ!


帰りたくない!


そう、思いながらも……。